彼らが本気で編むときは、それは親子の関係性を再確認する映画でもあった。

彼らが本気で編むときは、それは親子の関係性を再確認する映画でもあった。

『彼らが本気で編むときは、』

久々に大好きな映画に出会いました。

実は「ラ・ラ・ランド」と同じ時期に上映されていたため、
あまり存在を知られずに公開が終わってしまったのではないかと思います。

 

カモメ食堂、めがね、トイレットなど

私も大好きな数々の作品を生み出している荻上直子監督。

 

その監督が自ら【第2章】とよんだ今作品には、

確かに新たな荻上ワールドが広がっていました。

 

トランスジェンダーとして生きることの難しさ

トランスジェンダーの女性であるリンコ(生田斗真)と

その恋人であるマキオ(桐谷健太)。

マキオの姪であるトモ(柿原りんか)の母が家出をしたことにより、

三人の共同生活が始まります。

 

母からもらえていない愛情を惜しげもなく注いでくれるリンコに、

最初は偏見の目を向けていたトモもやがて心を開いていきます。

 

あたたかな3人での生活の中で、

リンコが世間的に「男性」「変わった存在である」と世間が認識し、

リンコの心を痛めつける出来事が次々に起きてしまう。

(出典:FILMERS)

 

映画の中の話ではありますが、

実際にそれが日本での現状で、あり得ることなんだと、

はっとさせられます。

 

私も高校生の時、トランスジェンダーの友人がいたため、

自分ではなんとなくの理解があるほうだと思い込んでいました。

 

しかし、リンコの視点を通して、

本当の苦悩や、生きづらさ、

周囲の理解度の低さなどをほんの少しではありますが、

あらためて考えさせてもらえた気がしています。

 

親と子の関係性が生き方に大きな変化を及ぼす

この映画でもう一つ感じたこと。

親子の関係性がいかに人生において重要かということ。

(出典:FILMERS)

映画の題材となったのは、リンコのお母さんの存在。

アメリカでは日常的にレズビアンやゲイの人たちと会うのに、日本に帰ってくると、途端にセクシュアル・マイノリティの人たちに会う機会が減ることにも、不自然さを覚えていましたし、そのことがずっと頭にあったんです。そういう時期に新聞で、トランスジェンダーの息子のために「ニセ乳」を作ってあげたお母さんがいるという記事を読んで、取材に行ったんです。                                                                                【出典:FILMERS

 

映画の中で描かれているお母さんがリンコに

編み物でおっぱいを作ってあげてプレゼントするシーン。

これは涙なしでは見られません。

 

母が子を思う気持ち。

そしてそれは伝わることもあればそうではないことも。

 

リンコとリンコのお母さんに対し、

子供を置いて家出をしてしまうトモとトモのお母さん。

そしてトモのおかあさんとおばあちゃんの確執。

その関係性に心の奥がひりひりと痛みます。

 

私自身も母からくる「心配」という重圧に幾度となく、

心が折れ、母との関係性に悩んだこともあります。

 

母と子、その関係は自分の人生におおきく影響し、

自分の生き方さえも変えてしまうものだと感じました。

 

だからこそ、改めてその母という存在を改めて大きく感じ、

複雑な気持ちと向き合いながらも、大切にしたいなと思います。

誰かを丁寧に愛するこころ

この作品を通じて最も感じたのは

「誰かを丁寧に愛する心」をもつことの大切さです。

 

家族、好きな人、友人、周りの人たち。

偏った見方をせず、その人そのものを

丁寧に大切にする。

 

簡単なようで簡単じゃないけど、

そんな関りが増えていけば、

どんな人でももっと、もっと住みやすい場所になるはず。

 

そんなきがしています。

 

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